2005年10月31日

小さな結婚式(20歳)

ハロウィン当日。神様から送金のプレゼントがあった。
俺はそのお金で買ったお菓子を皆に配っていたりした。

悪戯好きの3番目の子、ホンダラは昨日調子に乗って外で走り回った為か
鼻をぐずぐず言わせていた。
妊娠中の俺に風邪がうつったら大変だからとチャゴすん王子が面倒をみてくれている。

俺はいつも通り食事の支度をはじめた。
ようやくホンダラをおとなしくベッドに寝かせたチャゴすん王子がこちらに来る。
「ご苦労様」
「ねぇ、これを受け取って欲しいんだ」
「うん?」
俺はてっきりハロウィンのお菓子か何かと思い軽い気持ちで左手を出した。

その上に乗せられたものは

「!これ…」
「いつも君には迷惑かけてるから…」
その手にはシルバーのリングがあった。
安いものではない。ハロウィンだからというわけではなさそうだ。
「そんな…俺の方こそいつも迷惑かけてるのに…待ってて!」
チャゴすん王子の止める声も聞かず部屋を飛び出し馬車に飛び乗る。

帰ってきた俺の手にはゴールドのリング
「もう1度指輪の交換しよう?落ち着いて結婚式も出来なかったから…」
「そうだね」

そうして俺達は2度目のリングの交換を行った。
その後のキスをトイレに起きてきたホンダラに見られてしまったのは失態だったけど。
…小さいから分からないかな?そうであって欲しい。

その日、4人目の子ブロキーナが産まれました。

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2005年10月30日

トラペッタでの夜(19歳)

ハロウィンが近づく。
ピーポー荘全体がお祭りムードで俺も何だかわくわくする。
近所の方々にお菓子を贈ったりして過ごしていた。
チャゴすん王子には大きなジャック・オ・ランタンを。
パンプキンパイをつくってお菓子も用意して、子供達は部屋の飾りつけ。
散々騒いだためか子供達はいつもより早く眠ってしまった。

「チャゴすん王子…出かけよう」
「今から?」
やっぱりチャゴすん王子は驚いていたけど、これは今朝から考えていた事なんだ。
「ホイミンには何かあったら連絡するよう伝えてあるから。
 あの馬車で出かけてみたいんだ」

それからチャゴすん王子に買って貰った馬車でトラペッタへ。
その日の夜は家には帰らず、宿で二人きりで過ごした。


久しぶりの二人きりでの夜。

俺は待望の4人目の子を宿した。

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2005年10月29日

馬車(18歳)

初恋で、ずっと傍にいてくれたマルチェロ’兄貴に別れを告げた俺
何をする気にもなれず、心配する家族の視線にも気づかずにいた。
ふと、外を見るとチャゴすん王子とアルエイトさんが何か話していた。
チャゴすん王子の恋人であるアルエイトさん。
立場的には俺に対するマルチェロ’兄貴と同じになるんだな。
いや、兄貴と俺はもう…終わったんだけどね…。
…アルエイトさんは俺の事、一体どう思っているんだろう。

急にアルエイトさんが気になりはじめた俺はプレゼントを繰り返す。
これは恋心とは何か違う気もするのだけど…。
きっと彼も困惑していたことだろう。

気晴らしに外へ出かけた後に戻ると家の前に見慣れぬ馬車があった。
…お客様?

「誰か来てるの?」
馬車の傍にはチャゴすん王子がいた。
「君にプレゼント」
「え?…こんな立派な…高かっただろ?」
「でも君が欲しいって言ってたから」

確かに言ったことがあった気がする。
でもそれは、本気でねだる様な口調ではなかった筈だ。

「この馬車で一緒にデートに行こうか?行きたい所に連れて行ってあげるよ」
「チャゴすん王子…?」
「お兄さんと別れて…元気ないから…」
「!」
「ボ、ボクには関係ない事だけどね。でも心配なんだ」

いつもいつも彼には気遣わせてばかり。
これからはちゃんと伴侶としてあなただけを見ているから。
今までの分も一緒に幸せになろう。

彼の為にも自分の為にも、はやく4人目の子が欲しい…そう思っていた。


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2005年10月28日

さよなら(17歳)

決意をしたその日はその事にばかり心が囚われていたのか
エセエイトさんの復縁相手を思いっきり間違えたり
塩と砂糖を間違えるというお約束をやってしまったりと大変だった。

マルチェロ’兄貴とのデート。願いの丘。
流れ星ひとつ、二人の目の前を過ぎる。
祈るべきことが見つからず、放心状態で星が視界から消えていく様を見ていた。

「兄貴、今までありがとう…」
「桃味…?」

もっともっと伝えなきゃいけない事伝えたい事があった筈なのに
…無理だ。
これ以上何かを言えば俺は泣いてしまう。
そうしてまた兄貴に縋ってしまう。
それじゃ駄目なんだ。今言うしかない。

「さよなら」


その後の答えも聞かず、俺は願いの丘を駆け下りていった。

恋人ではいられない。これ以上、ワガママを通すことはできない。
だけど忘れない。絶対に忘れない。
恋人ではいられなくても、ずっと愛してる…。


願いの丘の麓で、誰も追ってこない事を確認してから俺は泣いた。
泣いて泣いて、ここで終わりにするために。
笑って王子と子供達の元へ帰るために。

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posted by くくーる桃味 at 21:18| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月27日

決意(16歳)

今でさえこんな状態なのに、これ以上の思いを抱えるなんてできない。
俺はエートさんの事はすっぱり諦めると決めた。彼には素敵な伴侶もいるのだから。

裁縫の腕もあがってきてミニドレス程度なら1日で作れるようになった。
頼まれた分だったけど、思わず自分の分も作って着用してみると
…足元がスースーして落ち着かない。
これをずっと着用していられるのって凄いなあ。

先日、兄貴から貰った鏡台の傍に飾った花を見て俺は考えていた。
「桃ママ、どうしたの?」
一番上の子のホイミンが心配そうに覗き込んでくる。
「何でもないよ。昨日の絵本の続き読もうか」
「うん!」
可愛い子供達。
大切な人達

俺のとるべき行動は…

posted by くくーる桃味 at 20:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月26日

余所見をすると(15歳)

ある方からの視線とプレゼントに翻弄されながらも
俺は別の人に視線を送っていた。
その人はエートさん。
占いで運命の相手、と言われた人だから気になってしまったんだ。
大胆にも贈り物なんかしてみたり…俺って時々マズい方向に積極性発揮するんだよな。

そのせいか王子とも兄貴とも喧嘩が続く。
落ち込んだ俺を心配したのかモモパンダがプレゼントをくれた。
ペットにまで気を遣わせてしまうなんてな。ごめん。
posted by くくーる桃味 at 19:59| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月25日

三人目の子は(14歳)

三人目の子はホンダラ。今度の子はチャゴすん王子に似ているといわれた。
俺に似てるって言われるより嬉しかった。どうしてかな。
王子は忙しいらしいから俺が子供達の面倒はしっかりみないとな。

相変わらず二人とのデートは続く。
三人産んでもまだ兄貴は傍にいてくれた。
嬉しいけど…だけど本当にこれでいんだろうかと俺はまた思い悩んでいた。
posted by くくーる桃味 at 19:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月24日

思い悩む(13歳)

デートを重ね、俺は三人目の子を妊娠した。
俺とチャゴすん王子とは受同士だからどちらが身篭ってもおかしくはないのだけど
三人連続で俺が身篭ってしまった。
どちらでも二人の子に変わりはないのだからいいけどさ。

子供が出来ると俺の心は落ち着いたものになる。
だから自分が身篭りたい…って無意識で思ってこうなるのかもしれないな。
そうするとマルチェロ’兄貴に対して自分勝手な事を言ってしまったと悔やむ事になる。
兄貴を不幸にしたくはないから、兄貴の好きにしていいよと本心から俺は兄貴に告げた。

でもやっぱり俺はずるい事をしているのかもしれない。
自分で選ばず兄貴に選ばせようとしている時点で…。

好きで一緒にいたいのも、俺に囚われないで幸せになって欲しいのも本当
今の伴侶との関係を崩したくないと思う時点でそれを両立させることができないのも現実

posted by くくーる桃味 at 10:48| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月23日

止められない感情(12歳)

二人目の子はトビー。今度も男の子だった。
最初の出産よりは落ち着いていられたと思う。

その後はやっぱり兄貴と王子、二人と交互にデートをしていた。
このままでいいのかという疑問はあったけど俺は二人に甘えていた。
どちらとも一緒にいたかった。

そんな俺への天罰なのか、兄貴との喧嘩カウントが続く。
二人目まで出来たら兄貴とは別れる事になるだろうと、そう覚悟していた筈なのに。
これ以上は望まない、別れたくないとまたしても俺は兄貴に縋りついていた。
覚悟をしていても、兄貴を目の前にすると別れたくないという感情が勝ってしまう。
チャゴすん王子はあんなにも俺に優しくしてくれるのに、どうして俺は…。


子供の為に手縫いで洋服を作っていたのだけど
裁縫自体が楽しくなって他の住人へのミニスカドレスを作ったりもしていた。
皆に喜んで貰えたし、喧嘩の恐怖を紛らわすこともできた…。
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2005年10月22日

想いの比重(11歳)

第1子出産の後、やはり初めての出産に疲れきった俺は眠ってしまった。
目を覚まし改めて我が子を見やる。やっぱり可愛いな。
チャゴすん王子は俺似だって言ってくれたけど
彼にも似てると思う。二人の子ならどちらにも似ていて当然か。

子供まで出来たのにも関わらず、マルチェロ’兄貴は恋人でいてくれた。
申し訳なさを感じつつも俺は嬉しかった。
今度はチャゴすん王子に兄貴の所へ行くと言って出かける。
彼はいってらっしゃいと送り出しくれた。…酷い事してるって自覚はある。
それでも俺は兄貴の傍にいたかった。

『自分を偽る必要のない普通の恋をしてみたい』

俺がピーポー荘に来た初めての日に願った事だ。
今の状態はこの願いに準じたものなのだろうか。
結局伴侶も恋人も傷つけているだけなのでは…。
ピーポー荘では伴侶がいても恋人を持つことはできる。
だがそれでも、伴侶と恋人では想いを傾ける度合いが違うべきではないのだろうか。
伴侶を一番に考えるべきではないのだろうか…。

チャゴすん王子とも愛を深め、俺の中には二人目の命が宿っていた。
最初の子を産んでから間もない妊娠にチャゴすん王子は俺の体を気遣ってくれた。
健康には自信あるからって言ってもやっぱり心配そうだった。…ありがとう。
今度も絶対に元気な赤ちゃん、産むんだ。

…さすがに、もう兄貴も恋人ではいてくれないだろう。
これでいいんだ。俺は彼と幸せな家庭を築いていこうと決心したのだから。
…これでいいんだ…。

兄貴がくれた子供の為のガラガラ。
握り締める俺の表情はどんなものだったのだろう。

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2005年10月21日

この身に宿した命(10歳)

初めての妊娠。チャゴすん王子の子が俺の中にいる。
ピーポー荘の方々からお祝いの品を頂いたり。
この身に伴侶の子である命を宿せたことが嬉しかった。


子供が出来て嬉しい一方、これで兄貴とはお別れなのかな…。
そんな事もぼんやりと考えてしまっていた。
チャゴすん王子との子供が嬉しくないわけじゃない。それは嬉しい。


正直な所、目覚めてから何もかもが早く展開していくんだ。
俺が心の整理をする前に時間はどんどん過ぎていく。
まるで5年分の時間を取り戻せと言わんばかりに。
幸せじゃないわけじゃない。
だけどこんな俺が幸せである事自体許されない気がする。
兄貴の結婚におめでとうの一言さえ言えない俺が…。

知らず流した涙はマタニティ・ブルーと解釈されるのが救いであったけど
本当にそうだったのかは分からない。


初めての子はホイミン。
チャゴすん王子も凄く喜んでくれた。
俺も嬉しかった。赤ちゃん。ちっちゃくて可愛い…。
ごめんな。こんなに可愛いお前の誕生前に泣いたりするなんて。

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posted by くくーる桃味 at 18:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月20日

運命のお導き(9歳)

マルチェロ’兄貴との結婚を望んだ俺はウェディングドレスを購入した。

その時点で兄貴には俺以外に二人の恋人がいた。
そして俺には眠る直前に告白したチャゴすん王子がいた。
だけどその時の俺には兄貴しか見えていなかった。

ここピーポー荘では複数の恋人がいる場合
結婚は結婚アイテム所有の有無と愛情の深さ、
そしてタイミングで決まる。

ピーポー荘の導きのままに、俺は告白していた。

もう1人の恋人であるチャゴすん王子に。



―どうしよう…!

結婚に対して一切の了承をとっていなかったどころか
知り合ってまだ間もなく互いの事もよく知らないチャゴすん王子。
眠っていた俺をずっと待っていてくれた兄貴…。

どちらに対しても俺は酷い事をしてしまった。


兄貴は俺のせいじゃないと言ってくれる。
チャゴすん王子はおそらく…気付きながらもそれには触れずに結婚を受け入れてくれた。

確かにこれはピーポー荘のシステムによる所が大きい。
だけど俺は自分で自分が許せなかった。


こうなったのなら家庭を大切にするべきなのだ。
チャゴすん王子の事だって自分から告白したくらいなのだから
決して結婚を全く考えられない相手などではないし好意を抱いている。
だけど今の俺の心中はマルチェロ’兄貴の占める割合が大きくて

会いたかった。

ピーポー荘においては結婚後も恋人がいる事は珍しくない。
恋人なのだから堂々と会いに行けばいいのだ。
だけど俺はどこか後ろめたくて

「教会に行って来る…子供達に作ったお菓子分けてくる」



桃のコンポートを手に向かった先は教会ではなくマルチェロ’兄貴の部屋

「桃味…」
「マルチェロ’兄貴…」
兄貴の顔を見た途端に子供のように泣き出して
ごめんなさいとか別れたくないとか叫んでた。
兄貴はそんな俺が泣き止むまで抱きしめて慰めてくれた。
どうすればいいんだろう。やっぱりこの想いをあっさり消す事などできない。


涙の跡をしっかり消してから部屋へと戻る。


戻った俺が目にしたものは
「家…?」
チャゴすん王子が家を買っていてくれたんだ。
「大きなお家…チャゴすん王子、ありがとう」
俺は長く眠っていたせいもあって年齢の割に収入が少なかった。
だから家の事なんてまだ考えてもいなかった。

新しい家の中を見て回る。
新築だけあってどこも綺麗。そして今日から俺の住居になる場所だ。
最後に辿りついたのは寝室。

「どこに行ってたの?」
それまで中を案内してくれていたチャゴすん王子の声色がほんの少し低くなる。
「え?教会に…」
「さっき教会の神父さんがここの前を通ったんだ。
 聞いたら今日は君、来てないって言ってたよ」
「!」


「あの人の所?」
俺は何も言えず俯く。それ自体が肯定の証となる。
「…ごめんなさい」
「何でっ…」
酷く苦しそうな声。当然だ。
謝ろうと顔をあげた瞬間にそのまま背後の寝台に押し倒された。

「王子っ…!」
恐かった。だけど抵抗なんてできる筈がない。
自分のやった事はこんな事よりずっと重くて残酷。

「僕より前から付き合ってきた君の大切な人だったって知ってる。
 会うななんて言わないよ。お付き合い続けるななんて言ってないだろ。
 でもどうして、嘘までついて会おうとするのさ…」

その通りだ。何ひとつ言い返せることなんてない。

「ごめん」
「……」
俺は自分から彼を抱き寄せた。
「王子の言うとおりだよ。俺まだ兄貴の事引きずってる。
 でもあなたと一緒に幸せな家庭を築きたいって思ってるのも本当なんだ」
本当何て自分に都合のいい、わがままな願いなんだろう。
二人にどれだけ詫びたって詫びきれない。
もっと俺が大人なら、上手く立ち回る事ができたのだろうか…。
誰も傷つけずにすんだのだろうか。


そのまま俺達は愛を深めて、その日のうちに俺の中には新たな命が誕生していた。

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2005年10月19日

目覚めの時(8歳)

世界に光と音が戻ってきた。
待ち望み、その一方で怯えていた目覚めの時。
俺を待っていてくれる人はいるのだろうか。それとも…。

「あ…」

1人じゃない。この手を包み込むあたたかな手

忘れる筈がない。
眠りについた時と同じ人のぬくもり。

待っていてくれた。


「マルチェロ’兄貴、待っていてくれたんだね。
 本当に…待っていてくれたんだ…。
 兄貴…俺もうこんなに眠ったりしないよ!
 傍にいてくれてありがとう。」

もっと自分だけの言葉でこの喜びを伝えたいのに
出てきた言葉はありふれた言葉

そんな俺に兄貴はもっと嬉しい言葉をくれた。

その言葉に応えて俺はドレスを購入し、その後兄貴がリングを購入した。
ピーポー荘での結婚にはこれが必要なのだ。

あとは時を待つだけなのだけど…。


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2005年10月14日

暫しの眠りの時間へと(3歳)

マルチェロ’兄貴はすぐに返事をくれた。

…俺が目が覚めた時も傍にいてくれると。

嬉しかった。悪いと思いつつ、それでも俺は嬉しかったんだ。
貰った手紙を何度も読み返して宝箱に大切に仕舞って
俺もまた返事を書いた。
書いている最中にゆるやかな眠気が襲ってきた。
もうすぐ…眠りの時が訪れる。

まだ出かけられるうちに買い物をしておこうとピーポー荘を出て
起きた時用の食料を買い込んで部屋の扉をあけた。

「あれ?」
部屋の中には誰かがいた。
何かを膨らませていた。ビニール袋のお人形…?
「…お客さん?」
「え?」

そういえば内装が違う。俺もしかして部屋間違えた?
「ここって11号室じゃない…?」
「12号室だよ」
1階間違えてた!
「すみません!部屋間違えたみたいで…」
「ああ、そうなんだ…わあ!」
膨らませていたビニール人形の空気が抜けてこっちへ飛んできた。
「わっ!」
「ご、ごめんね!ああ…せっかく膨らませたのに…」
面白いなあ。俺の部屋の一つ下にこんな方が住んでたんだ。
「俺ひとつ上の階のくくーる桃味。良かったらまた遊びに来てもいい?」
「僕はチャゴすん。こちらこそよろしくね」

それは世間で言う告白って奴だったみたいで。
俺の恋人欄には彼の名前が増えていた。
本当はもっと話もしたかったけど今の俺には時間がない。


部屋に戻って、俺が伝えていた時間の少し前に兄貴が来てくれた。
二人で一緒に今度はどこにデートに行こうかなんて話して。

そうして、目を開けているのさえ辛くなってきた頃。
限界が来たと悟った。眠りの時が来たと…。
気付いた兄貴は寝台の方まで運んでくれた。

次に目覚めた時、まだ兄貴は傍にいてくれるだろうか…。
どんなに兄貴が思ってくれてもピーポー荘にはピーポー荘のシステムがある。
本当は不安で恐くて仕方なくて。
だけどそんな兄貴を信じていないような素振りは見せたくなかったから。

「兄貴、俺が眠るまででいいから手を握っていて欲しいんだ…」

最後の時まで兄貴が傍にいると感じていたかった。
兄貴は俺を安心させる優しい言葉と共に手を握ってくれた。

「…おやすみなさい…」



そうして俺は、約6年間の長き眠りに入った。




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2005年10月13日

相反する気持ち(2歳)

それからもマルチェロ’兄貴とのデートは続いた。
ラパンハウスでは無理を言ってキラーパンサーに乗せて貰ったんだ。
二人乗せてもスピードが落ちないらしいキラーパンサーには驚いたよ。
…兄貴と一緒だから恐くはなかったけどさ。
他にもいろんな場所にデートへと赴いた。
充実した時間。求めていた愛する人と過ごす日々
その最中で兄貴は甘いものが好きなんだと知った。
俺も甘いもの―お菓子なんかが特に大好きで
好みが似てるのかなと思うと嬉しくなった。
そこで初めてクッキーを作ってみた。気にいって貰えるかな。
そのクッキーと一緒に俺は手紙を書いた。
俺が眠りに入ってしまうのを伝える為だ。

「…それで、これは伝えづらい事なんだけど伝えないわけにはいかない事なんだ。
俺、2年後から数年間は眠りに入ってしまう。
兄貴の声も聞こえなくなって何の反応も返せなくなる
…俺がここに来たばかりの頃に独身でいたいって言った理由。
本当は落ち着いた体になるまで恋人を作るべきじゃないって思ってたんだけど、
我慢できなかった。この先どうなるか分からないけど、
だから兄貴にはいつでも傍にいる恋人も見つけて欲しい。
兄貴もてるからすぐに新しい恋人も出来ると思うけどね。」

実は兄貴に届けた手紙は2通目。
全く同じ内容の1通目は涙が便箋に染み込んでしまったから破棄した。
俺以外の恋人を作って、なんて書くだけで辛い。

だけど、傍で笑う事もできなくなる俺で束縛したくはなかった。


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posted by くくーる桃味 at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月12日

はじめて愛を深めた日(1歳)

モモパンダの行動で肩の力が抜けた俺は駄目元でマルチェロ’さんに告白した。
結果は…信じられない事にOKを貰ってしまった。
受同士だけど、いいのかな。
優しい人だから俺が傷つかないようにって恋人にしてくれたんじゃ
…いけない。
どうも俺にはすぐ愛されていないと思いこむ悪い癖がある。
俺を誕生させた「中の人」が言うには最初の子から受け継がれている悪癖らしい。
そんな悲しい思い込み癖は俺で断ち切りたい。

デートに行く事になった。
場所はリブルアーチ。俺にとっては初めてのデートだ。
緊張したよ。マルチェロ’兄貴も緊張していたみたいだって後で気付いた。
その時はそれにも気付けない位に緊張していた。
リブルアーチの沈み行く夕日に二人で目を奪われる。
ふと、こちらを見られている気がして兄貴の方に視線を移した。
…気のせい?
そうだよな。兄貴はこの綺麗な夕日を見つめていた筈。
…夕日より兄貴を見ていたいな…。
気付かれませんようにと願いながら俺はその後ずっと兄貴の方を見ていた。

日が沈みきるまで結局その場所に二人で立っていて
暗くなったその後はどちらから言い出すでもなく自然と宿屋へ向かった。


【以下カップリング要素の強い文章につき注意】


遅くに入った為に部屋はひとつしか取れなくて。
…恋人同士だからひとつが普通なのかな。
仕組まれていたかのように寝台はひとつっきりで。
だったら二人で使うしかなくて。

どちらからそういう事をしようって動いたのかは覚えていない。
当たり前のように俺達は互いに触れ合って、愛を深めていった。
受同士な為かもしれないけど、その行為は穏やかで優しい時間


満たされる、ってこういう事なのかな。
このままずっと一緒にいられたら…。


…ずっと…?

そこまで考えてようやく自分の立場を思い出した。
―俺はもうすぐ眠りに付くのに。何をやっていたんだろう。
この人を6年も待たせるのか?
彼は多くの人から好かれていて
他にもお似合いの…素敵な人がたくさんいるのに。
…伝えなければいけない。目が覚めたら伝えよう。
その結果が呆れられて傍にいて貰えなくなるのだとしても…。

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2005年10月11日

ペットはモモパンダ(0歳)

ピーポー荘に入居し、神様から引越し祝い金を受け取った俺は
ペットを飼う事にした。
たくさんのペットがいる中で選んだのは耳が桃色のパンダ。
パンダなのに桃が大好きらしいその子にモモパンダと名付けて
早速部屋に連れてきた。
最初は不安そうに周囲を見ていたけれど、
すぐに慣れたらしく日当たりのいい窓辺で桃を食べていた。
ここを気にいってくれたみたいで良かった。

落ち着いて周囲を見渡すと気になる人ができました。
(住人に惚れるのはピーポー荘に住んだ者の宿命らしい)
上の階に住むマルチェロ’さん。
どうやら彼に恋煩いしているのは俺だけじゃないらしい。
…諦めたくはないから、告白してしまおうかな…。
いけない。眠りにつくまでは恋をしないでおこうと思ったのに。
モモパンダが彼のペットの孝之さんにプレゼントを贈ったらしい。
飼い主もペットもあのお宅が気になるのかと思うと
何だかおかしくなって肩の力が抜けてしまった。

posted by くくーる桃味 at 12:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

はじめまして

鏡の中には知った顔。
この顔の名前はククール。俺はククール属性というものにあたるらしい。
違うのは、桃味という名前にちなんだのか桃色のリボン
ゲームの俺は確か黒のリボンなのに。
俺が桃色のリボンなんておかしくないかな。

はじめまして。くくーる桃味です。

ピーポー荘。出来たばかりの綺麗な建物。
告知を見た時から待っていた。
いつかはここに住みたいって思っていたんだ。
だけど今はまだその時じゃない。
俺はもうすぐ眠りについてしまう。
約6年間の眠り。住み始めてすぐの人生の中の6年間
貴重な時間だ。
俺にとっても、もしも恋人が出来たらその人にとっても、だ。
だから眠りについたその後に住んだ方がいいに決まってる。
分かっていたんだ。頭では分かっていた。

ピーポー荘を眺めていると次々と住人が増えていく。とっても楽しそう。
中ではどんな事が行われているんだろう。どんな人達がいるのだろう。
気付けばまだ行うべきではなかった筈の入居手続きを済ませていた…。

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posted by くくーる桃味 at 11:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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